置いていかれて不安そうな、生後約2ヶ月のちいさなちいさな黒いかたまり。
くわえているのは、リボン。

少しでも何かが違っていたら、このちいさな黒いかたまりとは出会えていなかったかもしれません。
2001年の夏、黒猫と生活してみたい・・・と、里親募集サイトで黒猫を探しました。8月17日に、上を見上げている黒子猫を発見。

実はその前に気になる子が別にいて、コンタクトをとっていましたが、その子は他で決まってしまったのこと。早速ノアの保護主さんに連絡をとりました。
8月24日金曜日の夜、ノアはたくさんの子猫たちと一緒に、はるばる三浦半島からやって来ました。長いドライブから開放され、部屋を跳ねまわる子猫たち。ノアを含めみんな男の子でした。
女の子と生活するつもりだったので、あれれ・・・となりました。
私は女の子のつもりだったのですが、保護主さんは私が男の子を希望していると思われていたのです。
でも遠くからせっかく来てくださったのだし、男の子でもいいかと、他の子と忙しそうに跳ねまわるノアを抱き上げました。途端にぐぅぐぅぐぅと喉を鳴らし、この子は人が好きなのだなと感じました。
ノアは保護された時、死にかけていたそうです。兄弟姉妹は全員助かりませんでしたが、たった1にゃん生き延びました。人が好きなのは、自分を助けてくれたのが、人・・・とわかったいたからでしょうか。
保護主さんと子猫たちが帰り、1にゃん残されたノアは、キッチンのワゴンの下にもぐってしまいましたが、リボンを揺らすとすぐ出てきました。ひと遊びすると、またワゴンの下。
心配だったトイレも、翌朝、ご飯を食べると、当たり前のようにトイレへ向かいおしっこをしました。にゃんてかしこいのと大騒ぎしたのは、言うまでもありません!
翌日には爪切りもでき、すぐに信頼してくれるようになりました。
あれから16年。
最初から男の子とわかっていたら、コンタクトしていなかったと思います。来る前に男の子だと気づいていたら、ノアは我が家に来ることはなかったでしょう。
先に気になっていた子が、他で決まっていなかったら、出会えていなかったかもしれません。
幸運の積み重ね。
15年と7ヶ月、ノアは、たくさんのしあわせな時間をくれました。
どの瞬間のノアも可愛くて、愛おしくて、いまだにメモリアルボックスの写真が決められないほどです。
我が家に来て約1ヶ月後。

猫生初のキャットタワーから、チラリ。

ノアがいない初めての8月24日。白いリボンを揺らしたら、出てきてくれるかな。